医療・工業・科学用途におけるダイオードレーザーの自動生産

ベルリンに拠点を置くレーザーのスペシャリストであるLumics社は、ファインテックのフルオートマルチチップボンダーを使用することで、レーザーダイオードモジュール製造の信頼性を高め、生産量を大幅に増加させることに成功しました。

2000年創業のLumics GmbH はB.I.G. (Berlin Industrial Group)の一員で、医療、工業、科学分野における要求の厳しいアプリケーションに使用されるダイオードレーザーの設計と製造を行う重要な企業です。チップレベルからファイバー結合レーザーダイオードモジュール、シングルエミッター技術によるターンキーレーザーシステムまで、幅広い機能を自社で保有しています。

取扱製品は670nmから1940nmまでのマルチモードおよびシングルモードのレーザーダイオードで、カスタマイズ可能なLuOceanシリーズや業界標準のソリューションも含まれています。

既に実績のあるこれらのレーザー製品は、医療・生命科学、材料加工、分析・計測、電気通信、シード、励起、セキュリティ、照明など、最新の革新的アプリケーションにも適応できるような追加機能と共に提供されています。

 

もはや十分とはいえない

ダイオードレーザーの生産(サブマウントへのレーザーボンディング、および、その後のフラットマウントへのパッケージアッセンブリ)において、Lumics社は以前、旧式の自動装置を使用していました。しかし、この装置では大幅に増えたLumics社の要件を満たす事が出来なくなりました。また、画像認識精度も悪く、組立対象となる部品を下から撮影することが出来なかったため、頻繁に手作業が発生し、搭載座標を手入力で数値入力する必要や、ツールの調整にも非常に時間が掛かっていました。

そのため大量生産の実現は難しく、ルミックス社はフルオートダイボンダーを市場調査し、短期的には旧システム使い続けるものの、将来的な設備のリプレースを検討していました。

すなわち、レーザーダイオードやそれ以外の生産用途でも使用可能で、現在だけでなく将来の要件にも対応することができるような、柔軟かつ将来性のあるソリューションを必要としていたのです。 例えスループットと求めたとしても、要求される高い搭載精度や、プロセスの安定性を確保できることも重要な要件でした。

 

身近にあった解決策

Lumics社の本社はベルリン・マルツァーン地区にありますが、なんと、そこからわずか数棟離れた場所で、この要求にぴったりと合致するフルオートマルチチップボンダーの開発に、ファインテックは取り組んでいました。FineXT 6003は、時間当たりの生産数、対応テクノロジーの柔軟性、搭載精度、これらを両立する量産向けダイボンダーです。ファインテックは、レーザーダイオードのはんだ付けや共晶はんだ付用装置スペシャリストとして、すでにLumics社で優れた評価を得ており、また非常に近い立地でもあったため、すぐに打ち合わせを行いました。両者は、Lumics社の製造現場で、フルオートダイボンダーのさらなる開発を進めるため、1年間の共同研究を行うことに合意しました。その過程においてFineXT 6003は、開発中の段階から徐々に生産に組み込まれっていったのです。

 ファインテックのフルオートマシンの画像認識には、数多くの新機能があり、これまでとは全く異なるアプローチを可能にします。また全てのマシンコンポーネントとプロセスの統合管理/制御を行うボンディングソフトウェアは、Lumicsで以前使用されていた装置と比べ、はるかに高度かつ多用途に対応可能です。Lumics社は、既存のアセンブリプロセスをFineXT 6003に徐々に移行する際、ファインテックの経験を活用しつつ、その拡張性とプロセス設計に対する自由度の高さについて恩恵を享受することができました。

「プロセス再現性は極めて優秀です。また、すべてのプロセスパラメータがリアルタイムで監視できるため、プロセス開発に必要な情報を適切に得ることが可能です。例えば、ボンディングフォースの特性曲線からは、はんだの融点を読み取ることが出来るので、コンポーネントに必要な加熱温度とプロセス時間を設定する際に有効です。」

David Koplin, Manager Backend Production, Lumics GmbH

同時に、Lumics社でのフィールドワークにより、ファインテックの製品開発担当者も、ダイボンダーのさらなる開発のための貴重なフィードバックを得ました。両社はこのコラボレーションで互いに多くを学び、この知見を応用することで、装置とアプリケーションを新たなレベルに引き上げることができました。

また、フルオート・レーザーダイオード・ソルダリング用の専用ツールも開発されました。このルミックス用ツールのために、自己補正機能をもつジンバル機構に加え、低荷重かつZ軸に沿ったスプリング荷重を加えることができるツールが開発されました。このツールでは、タッチダウンした後に改めてフォース制御を行う必要がないため、搭載精度と正確な荷重制御を維持しながら、プロセスタイムの短縮を実現しました。

 

最高の信頼性を持つ連続稼動

1年間のテストと、さらなる開発の後、Lumics社は、全く新しく設計されたボンディングヘッドやハンドリングモジュール、ディスペンスモジュールを追加したFineXT 6003を受け取りました。新しい基板加熱モジュールとモーター駆動のプロセスガスモジュールが追加され、安定したはんだ付けのための不活性プロセス雰囲気も使用可能になりました。また、駆動軸の寸法も最適化され、すべてのプロセスカメラに3色のライトが装備されました。

以来、このマルチチップボンダは順調に連続稼動を続けており、Lumics社は、この装置をプリプロダクション(ツイストサブマウントを4インチワッフルパックからより小さなワッフルパックに事前選別する)と、フラットパックへレーザーダイオードアセンブリをフルオートアセンブリする、両方の用途に使用しています。現在では週に数百ユニットを生産しており、生産規模は大幅に拡大しています。ファインテックの装置は、サブマウントへのダイオードレーザーはんだ付けなど、追加のアセンブリ作業にも対応できる性能を備えています。

バッチ処理では手作業がほとんど必要ないため、オペレーターは他の作業に専念できるようになりました。また、3μmの配置精度は、非常に要求の厳しいフルオートアセンブリ工程においても、確実に達成され、再現性のある結果を残しています。

「FineXT 6003で、ほとんどの工程が完全自動化されました。また、作業領域が広くなったことで、より大きなバッチを搭載することができるようになり、製品にもよりますが、オペレーターにおいては、最大で90%の時間短縮が実現されています。」

David Koplin, Manager Backend Production, Lumics GmbH
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